何よりも大切なのは「一向専心」ということなのです。
「唯一向専心に南無阿弥陀仏と念じて」ということを言い換えると、「ただ一向専心に、仏と一体であるから今此処極楽浄土天国である」と深く念ぜよということです。
一向専念とは、思いをこめて、他のことを思わず心を専らにするということです。
若しあなたが苦痛の真唯中にあろうとも、「この苦悩を取り去り給え」と念ずるのは、苦悩を念ずることになりますから、雑行雑修になります。
苦悩の中にあっても苦悩を思わずただ「今此処天国浄土にして、仏と一体なるが故に、此処に極楽はあり」と一行に澄み切って念ずるとき魂の解放を得るのです。
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