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心をひらいて、命と響き合う

  • 執筆者の写真: 本間 啓庸
    本間 啓庸
  • 4月20日
  • 読了時間: 2分


 現代社会は、忙しさや不安、情報の洪水に呑まれ、私たちはときに自分自身を見失いがちです。心の声に耳を傾けることさえ忘れ、ただ目の前のことに追われる日々。しかし、そんな時こそ立ち止まり、思い出したい言葉があります。


仏智と衆生と即ち我が心なり。円通し称入すれば最も幽深なり。

弘法大師 空海『金勝王経秘密伽陀』


(仏の智慧とすべての命、そして私の心が通い合うとき、深い安らぎが生まれる。)


 この言葉は、単なる信仰の教えではなく、生きる上でのヒントです。仏の智慧とは、すべての命を等しく尊び、慈しみ、見つめるまなざし。それに私の心が通い合うとき、つまり、自他の違いを超えて命と命が響き合うとき、私たちは真の安らぎに包まれます。


 安らぎとは、外の世界が静まることではありません。むしろ、内なる世界が調和するときに生まれるものです。


 他者と比べず、自分を責めず、ただありのままに「今ここ」にいることができる。そのとき、私たちははじめて、自分という存在が宇宙の一部であり、かけがえのない命であると実感できるのです。


 心をひらき、目の前の命と向き合う勇気を持ちましょう。感謝とともに日々を過ごし、小さな出会いにも仏の智慧を見出す眼差しを持ちましょう。


 その積み重ねが、あなた自身の生き方を変え、やがて周りの人々の心も照らし始めます。


 あなたの心が、仏の智慧と命とつながるその瞬間――


 深い安らぎと、真の自己が、そこに息づいているのです。

 
 
 

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