• 本間 啓庸

沈潜の時節


そろそろお彼岸の季節がやってまいります。この冬はとても底冷えの日が続きました。寒さも彼岸までとなりますでしょうか。


お墓参りの季節として知られているお彼岸ですが、実はお彼岸の七日間は仏道修行の実践期間でもあります。


お彼岸の仏道修行には六つの教え、「六波羅蜜」があります。


布施(ふせ)波羅蜜(他の助けとなるいろいろな施し)

持戒(じかい)波羅蜜(してはならないという戒を保つ)

忍辱(にんにく)波羅蜜(苦しいことを耐え忍ぶ)

禅定(ぜんじょう)波羅蜜(心を安定させ、物事に集中する)

精進(しょうじん)波羅蜜(努め励む)

智慧(ちえ)波羅蜜(物事を正しくみる)


特に忍辱波羅蜜。どんなことも堪え忍ぶとはなんとも厳しい修行です。とりわけ人的な事にあたっては、理不尽で許し難く、時には怒りを覚えることもあるかもしれません。それでも黙って堪え忍ぶことなど果たしてできるのでしょうか。ましてや真剣な場合ほど、いい加減にあしらえないものです。


宗祖弘法大師様は「怒れども也(ま)た移さず」と自身の中の怒りを飼い馴らすことを教え、真言宗中興の祖興教大師様は「しばしば忿恚(ふんに)を起して忍辱ならず」と懺悔の意を表しています。


六波羅蜜の智慧に習って、お彼岸をしばし人生の沈潜の時節とするのも善いことかもしれません。


合掌



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